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香水における香料の抽出方法と超臨界二酸化炭素抽出法

皆様、こんにちは。おもちブログ管理人のおもち(Twitterはこちら)でございます。
香水に使用される香料の抽出方法には何通りかの種類があるのですが・・・
今回のブログでは超臨界二酸化炭素抽出法について触れたいと思います。
ここまで、香料について触れているブログはそんなにないはず・・・!
香水情報は沢山ほしいので、是非皆さんも私に色々な情報を教えてくださいね。

さてさて、最近私もTwitterで呟いていたのですが・・・

※超臨界二酸化炭素抽出法について勉強中。元々は飲食物に使用されていた技術のようです。コーヒー豆からカフェインを抽出してデカフェにする等。最初にこれを香水に利用したのがジャックキャバリエ氏のようですね。元々は海外の工場でしか、この抽出法はできなかったようですが、国内(三重県の超臨界技術センター?)にも工場ができたようで、国内での抽出ができるようになったとか。超臨界二酸化炭素抽出法以外には有機溶媒を使った抽出、水を使った抽出方法があるようです。超臨界二酸化炭素抽出法は安全で香りの成分を損なうことなく抽出が可能ですがコストが高くなるとのことです。有機溶媒での抽出は残留の溶媒や手順の複雑さがあるそうです。まだまだ情報が調べきれていないので、またブログにでもまとめますね〜

※上記のTwitterの文章を抜き出したもの。

はじめに

私がなぜ、この超臨界二酸化炭素抽出法について興味を持ったかと言うと・・・

持っている香水がこの超臨界二酸化炭素抽出法で抽出された香料を使用していると知ったからです。

最近ではこの超臨界二酸化炭素抽出法を用いて作られた香水を見かけることが多くなりました。

LV(ルイヴィトン)は特に有名かと思います。他にはフエギアもそうですね。

超臨界二酸化炭素抽出法とは

超臨界二酸化炭素抽出法は、高圧および高温条件下で二酸化炭素(CO2)を超臨界状態(臨界点以上の圧力および温度)にすることで、有機物や化学物質を抽出する技術です。この抽出法は、天然素材、植物、食品、医薬品、化粧品などのさまざまな材料から特定の成分を抽出するために使用されます。

超臨界二酸化炭素は、圧力と温度を調節することで液体と気体の中間の状態になります。この状態では、二酸化炭素は高い溶解力を持ち、極めて効率的に溶質を抽出できます。有機溶媒を使用しないため、環境にやさしい方法とされます。

二酸化炭素に圧力と温度を加えていくと約72気圧・31度(臨界点)で、気体と液体の中間である流体(超臨界流体)になります。その超臨界流体の中に原料となる植物を入れると、芳香成分と有効成分が流体に浸透して溶け出します。その後、流体の圧力を元に戻して気化させると、芳香成分と有効成分だけが残ります。

引用:wands様公式HPより

もう文字だけで頭が痛くなりそうですが・・・

特定の条件下で芳香成分が溶けやすくなった二酸化炭素から香料を抜き出しているという理解でいいかと思います。

超臨界二酸化炭素抽出法のメリット

環境に優しい: 超臨界二酸化炭素は環境への影響が比較的少ないです。有機溶媒を使用する伝統的な抽出方法と比較して、環境への負荷が低く、持続可能な抽出プロセスとされています。

安全性: 二酸化炭素は非可燃性であり、低毒性です。そのため、作業環境や製品の安全性において優れた特性を持っています。また、二酸化炭素は容易に回収・除去できるため、製品に残留物が残りにくいです。(残ったとしても無害。炭酸水も二酸化炭素です。)

高効率: 超臨界二酸化炭素は高い溶解力を持ち、速やかに溶質を抽出します。これにより、短時間で効率的な抽出が可能です。また、抽出後の製品回収も比較的容易であり、溶媒(二酸化炭素)の再利用が可能です。

多様な応用範囲: 超臨界二酸化炭素抽出法は、食品工業、製薬業、化粧品業など、さまざまな分野で幅広く利用されています。植物からの天然成分の抽出、医薬品の製造、精油の抽出など、さまざまな用途に適応可能です。

これらのメリットにより、超臨界二酸化炭素抽出法は、環境に配慮しながら高品質な抽出物を得るための有望な技術として注目されています。

● 低温での抽出が可能

(熱に弱い植物本来の栄養価や芳香成分を損なうことなく得れる)

● 溶媒が残留しなため、安心で安全

(抽出過程で二酸化炭素しか使わないため、食品やベビーケアにも安心して使える)

● 酸化による劣化や成分の変性が起こりにくい

引用:wands様公式HPより

良いことしかないような超臨界二酸化炭素抽出法ですが・・・

デメリットとしては他の抽出法よりもコストがかかってしまうということが挙げられます。

抽出方法の種類(コーヒーのカフェインの場合)

有機溶媒抽出
有機溶媒を使用して、コーヒー豆のカフェインを抽出しますが、豆に溶媒が触れるので日本国内では有機溶媒抽出法を使用したコーヒーの販売は禁止されています。ベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタンが使用される。

香水でいう香料のアブソリュートは有機溶剤抽出で抽出された成分のことを指すようです。

水抽出法
水を用いて抽出する方法で豆に直接有機溶媒が触れず、安全性が高い。他の溶媒や化学薬品を使わずにコーヒーの風味や成分を引き出す環境に優しい方法として注目されています。(ただし、抽出時の温度が高く100度近い。芳香成分が超臨界二酸化炭素抽出法よりも失われるとも言われている。)

超臨界二酸化炭素抽出法と有機溶媒による抽出方法の違い。

動画でみる超臨界二酸化炭素抽出法

温度変化と圧力の変化による二酸化炭素の変化。2分41秒から超臨界二酸化炭素流体を見ることができます。

ゆっくり解説による超臨界二酸化炭素抽出と最近の話題

余談ですが、超臨界二酸化炭素抽出法で取り出したコーヒー豆のカフェインはエナジードリンクや錠剤で売られているそうです。

確かに薬局で売られているの見たことがありますよね。

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超臨界二酸化炭素抽出法を使用している香水

やはりルイヴィトンの香水が有名ですね。ルイヴィトンのマスターパフューマーのジャックキャバリエ氏が初めてこの超臨界二酸化炭素抽出法を香水業界に持ち込んだと言われています。ローズとジャスミンの超臨界抽出法が有名のようなのですが、私にはこの2つの抽出に関するエビデンスとなる文章を探し出すことができませんでした・・・(ご存知の方、教えて下さい。)

また、フエギアもこの抽出法で香水をつくっています。

「香りの分析はもちろん、この鼻が最大の頼りなのですが、現在はガスクロマトグラフィーという装置によって分子レベルまで分離し、正確に分析できるようになっています。さらに超臨界二酸化炭素抽出法という技術を使えば、原材料から取り出したい香りのエッセンスをピンポイントで、低温のまま安全に、そして、クリーンに抽出できます」

引用:GQ Japan フエギア 1833でなければ成立しない香りとは───創業者のジュリアン・ベデルに直撃 飴李花様より

ではでは、今回のブログがこのあたりで!また次回ブログにてお会いしましょう~!

おもちブログ内リンク→何が良い香りなのか「香木」と「香水」で考えてみる

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