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何が良い香りなのか「香木」と「香水」で考えてみる

箸休めのブログ記事です。コラムですね。
私の所感もありますが化学的な視点から良い香りにアプローチをしてみたいと思います!

さて、何をもって良い香りとするのか、私たちは知らないはずです。

むしろ考えたことはないのでは?とさえ思ってしまいます。
私はお恥ずかしながら考えたことはありませんでした。

なんとなく香りをかいでみて、いいなっと思ったものを購入しています。

では、先人に学びましょう。

香りの十徳

実は良い香りの定義がされていたのです。

良い香りの定義というのは・・・・『香の十徳』内に記されています。
この香の十徳は一休宗純(私たちのよく知る一休さん)が広めたものと言われています。

一休さん香りの分野でも活躍されていたんですね~

1. 感格鬼神・・・感は鬼神に格(いた)り。
感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる。
私としてはその香りがあるときに香りと自分だけの世界観に没入できるかどうかという点です。

2. 清淨心身・・・心身を清浄にする。
当時の環境を考えるに風呂に入る機会は現代よりも少ないはずですので、お香をたいてリフレッシュしていたのかと思います。

3. 能除汚穢・・・よく汚穢(おわい)を除く。

4. 能覺睡眠・・・よく睡眠を覚ます。

5. 静中成友・・・静中に友を作る。
孤独な時にも心を癒してくれるという意味です。

6. 塵裏偸閑・・・塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む。
忙しい時にも心を和ませてくれる。

7. 多而不厭・・・多くして厭(いと)わず。
多くても邪魔にならない。

8. 寡而為足・・・寡(すくな)くして足れりとす。
少なくても足りる。

9. 久蔵不朽・・・久しく蔵(たくわ)えて朽ちず。
長期保存が可能である。

10. 常用無障・・・常に用いて障り無し。
常に用いても害がないこと。

この香の十徳は香道における話なのですが、香水にもつうじるところがあると思います。

あなたのお手持ちの香水はこの香の十徳に照らし合わせてみて、いかがでしょうか?

香水の熟成とは

では、つづいて香水の熟成について考えてみましょうか。

最近Twitterで見かけることの多い話題ですし、フエギアというブランドは熟成されたヴィンテージの香水を販売しています。

皆さんは香水の熟成とは何なのか気になりませんか?

私たちは香水の中身について何が入っているか知ることはできません。

ですが、香料と(変性)アルコール、そして水の3つが入っていることは間違いありません。
(例外として水性の香水もありますがここでは除外します。)


ウイスキーの考え方なのですが・・・

熟成と呼ばれる過程のひとつにアルコールと水分子が会合して分子塊を形成するというものがあります。
また、樽の中に酸素が取り込まれることで、アルコールと有機酸によるエステル化の形成、酸化による重合や分解による味の変化があります。

香水内のアルコールも同じような経過をたどると思っています。
香料が何なのかはわからないのですが、少なくとも水とアルコールの会合はあるはずです。

更に、熟成の中で低沸点成分が先に蒸発し不揮発成分が濃縮されていくというものがあります。
低沸点成分の中にはカドの強いものが多いので、熟成後は穏やかに丸みを帯びた香りになるものが多いと私は推測しています。

こう考えると「熟成」・・・私はあると思います

そしてね?

あくまで個人的な意見になるのですが・・・

販売されている香水の香りが変わってしまったらクレームにもなりますので
販売側としては消費期限を設けるしかないのかな?と思っています。

その点、香水に「熟成」という新しい概念を作り出したフエギアに私は花丸の評価をつけたいのです。
(上から目線で申し訳ないです。でも何か新しいことを作り出すというのはとても労力のいること!拍手したいです!)

フエギアのべた褒めになってしまいましたが、ほかのブランドでもこの熟成は起こりうることだと思います。
消費期限が定められていたとしてもです。

経年で香りが変わってしまっても、それは熟成されたと思うのが精神衛生上いいのかもしれませんね。

ではでは、また次回のブログでお会いしましょう~

(こちらの記事は香りの情報集次第で追記修正予定です。)

-Fragrance, Incense, others, perfume